「新NISAを始めたいけど、何を買えばいいのかわからない」「オルカンだけ買っておけば大丈夫?」「S&P500や個別株も買ったほうがいい?」
投資を始めたばかりの方なら、このような疑問を持つのではないでしょうか。
新NISAではさまざまな商品に投資できますが、選択肢が多すぎることで、かえって迷ってしまうこともあります。そこで候補としてよく挙げられるのが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」です。
オルカンは1本で世界中の株式に分散投資できるため、長期的な資産形成を考える初心者にも選ばれています。
この記事では、オルカンだけで運用するメリット・デメリット、S&P500との違い、個別株との組み合わせ方まで、初心者向けにわかりやすく解説します。
オルカンとは?
オルカンとは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)という投資信託の愛称です。1本購入するだけで、日本や米国をはじめとした先進国、新興国など、世界中の株式へ幅広く投資できます。
「今後どの国が成長するのかわからない」という人でも、世界全体へまとめて投資できるのが特徴です。オルカンの基本を詳しく知りたい方は、「オルカンとは?初心者に人気な理由とメリット・デメリットを解説」も参考にしてください。
オルカン=世界中に均等投資ではない
「全世界株式」と聞くと、日本、米国、ヨーロッパ、中国などへ均等に投資する商品だと思うかもしれません。しかし、実際には均等ではありません。
オルカンが連動を目指す指数は、世界の株式市場の規模を反映した構成です。そのため、現時点では米国株の割合が大きくなっています。オルカンを買うことは「米国株に投資しない」という意味ではなく、米国を含む世界各国の企業へまとめて投資することになります。
新NISAはオルカンだけでもいい?
結論から言えば、長期・積立・分散投資を目的とする初心者なら、オルカン1本で運用するのは十分合理的な選択肢です。
「分散するためには複数の商品を買わなければならない」と考える必要はありません。オルカン自体が、多数の国や企業に投資する商品だからです。
むしろ初心者の場合、S&P500、日経平均、NASDAQ100、高配当株、個別株などを次々に買うことで、自分が何にどの程度投資しているのかわからなくなる可能性があります。シンプルに長期投資を続けたいなら、オルカンだけという選択肢は十分考えられます。
オルカンだけで運用する5つのメリット
1.1本で世界中に分散投資できる
最大のメリットは、分散投資のしやすさです。個別株だけで世界中の企業へ分散しようとすると、多くの資金と管理の手間が必要になります。
オルカンなら1本購入するだけで多数の企業へ投資できるため、特定企業だけへ資産を集中させる場合と比べて、1社の業績悪化による影響を抑えやすくなります。
2.成長する国を自分で予想しなくてよい
今後も米国が成長を続けるかもしれませんし、別の国が大きく成長する可能性もあります。将来を正確に予想することはできません。
オルカンなら「成長する国を当てる」のではなく、「世界全体に投資する」という考え方ができます。
3.管理が非常に簡単
投資商品を何本も保有すると、資産配分の把握や管理が複雑になります。一方、オルカン1本なら毎月決まった金額を積み立てるというシンプルな運用が可能です。
本業や資格勉強で忙しい会社員にとって、投資に時間を取られにくいことは大きなメリットです。
4.少額から始めやすい
投資信託は証券会社によって少額から積み立てられます。「まずは月5,000円」「慣れたら月1万円」のように、収入や生活費に合わせて調整できます。
投資額で迷っている方は、「投資初心者はいくらから始めるべき?」で、無理のない金額の決め方を解説しています。
5.投資に時間を取られにくい
個別株では、決算、業績、株価、ニュース、業界動向などを確認する必要があります。オルカンの長期積立なら、日々の値動きを細かく確認する必要性は比較的小さくなります。
オルカンだけにする3つのデメリット
1.元本保証ではない
オルカンを買えば必ず利益が出るわけではありません。株式に投資する以上、世界的に株価が下落すればオルカンも値下がりします。
新NISAは税制上のメリットがある制度であり、投資商品の価格下落を防ぐ制度ではありません。100万円の評価額が一時的に80万円や70万円になる可能性も理解しておきましょう。
2.短期間で大きく増やす商品ではない
オルカンは短期間で資産を2倍にするような投資には向いていません。基本的には10年、20年と長い期間をかけて資産形成するための商品です。
3.米国株の影響を大きく受ける
オルカンは全世界株式ですが、米国企業の構成比率が大きいため、米国株式市場の影響も強く受けます。「全世界だから米国市場が下落しても安心」と考えるのは適切ではありません。
オルカンとS&P500はどちらがいい?
オルカンは世界全体、S&P500は米国の主要企業を中心に投資する商品です。
- オルカンが向いている人:世界全体へ分散したい、将来どの国が成長するかわからない、シンプルに長期投資をしたい人
- S&P500が向いている人:今後も米国経済の成長を期待し、米国への集中度が高くても問題ないと考える人
どちらが絶対に正解というものではありません。より詳しい比較は、「オルカンとS&P500どっちがおすすめ?」をご覧ください。
オルカンとS&P500を両方買う意味はある?
両方を買うこと自体は問題ありません。ただし、2つ買えば単純に分散効果が高まるとは限りません。オルカンにはすでに多くの米国企業が含まれているからです。
オルカンとS&P500を両方購入すると、オルカンだけの場合より米国への投資比率が高くなります。「米国を少し多めにしたい」という意図があるなら一つの戦略ですが、「人気だから両方買う」という場合は投資方針を整理したほうがよいでしょう。
オルカン+個別株という方法もある
投資に慣れて個別株にも挑戦したくなった場合は、資産形成の中心をインデックス投資にして、一部の余裕資金で個別株へ投資する方法も考えられます。
大切なのは、個別株への投資によって生活資金まで失わないことです。投資信託と個別株の割合に唯一の正解はありませんが、値動きが気になって生活や仕事に影響するほど投資しないようにしましょう。
私は、将来のお金に不安を抱えず、自分のやりたいことができる生活を送りたいと考え、家族の将来も見据えて投資を始めました。現在は、S&P500に連動する投資信託のほか、TSMC、サンリオ、NVIDIAの個別株を購入しています。今後はあらためて投資方針を見つめ直し、S&P500への積立を資産形成の中心にする予定です。個別株についても短期的な値動きだけで売買せず、企業の業績や将来性、本来の価値を確認しながら、長期保有を前提に投資を続けていきたいと考えています。
初心者ほど投資商品を増やしすぎない
SNSやYouTubeでは「S&P500がいい」「オルカンがいい」「NASDAQ100がいい」「高配当株がいい」など、さまざまな情報が流れています。
しかし、投資商品が多いほど優れた投資になるわけではありません。初心者のうちは、投資目的、運用期間、毎月の投資可能額、許容できる値下がり幅を先に考えることが重要です。
暴落してもオルカンを持ち続けられる?
株価が上昇しているときは「20年間持ち続ける」と思えても、実際に自分のお金が大きく減ると不安になります。投資額が大きくなるほど、同じ20%下落でも金額としての損失は大きくなります。
慌てて売却しないためにも、生活に必要なお金まで投資しないことが重要です。生活防衛資金を確保し、当面使う予定のない余裕資金から投資しましょう。
投資への不安が強い方は、「投資は怖い?初心者が不安になる理由と失敗しない始め方」も参考にしてください。
私が初心者ならどうする?
投資経験がほとんどなく、新NISAをこれから始める立場なら、最初から複雑なポートフォリオを作る必要はないと考えます。
まずは低コストのインデックスファンドを少額から積み立て、投資について勉強しながら、必要に応じて米国株や個別株、高配当株を検討する方法が現実的です。
新NISAの商品選びをさらに確認したい方は、「新NISAで何を買えばいい?おすすめの投資信託3選」もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1.新NISAはオルカンだけでも大丈夫ですか?
オルカン1本でも世界中の株式へ分散投資できるため、長期的な資産形成を目的とする場合の選択肢になります。ただし元本保証ではなく、値下がりする可能性があります。
Q2.オルカンとS&P500ならどちらがおすすめですか?
世界全体へ幅広く投資したいならオルカン、米国を中心に投資したいならS&P500という違いがあります。どちらが絶対に優れているとは言えないため、自分が納得できる投資先を選びましょう。
Q3.オルカンとS&P500を半分ずつ買ってもいいですか?
購入すること自体は可能です。ただし、オルカンにも米国株が多く含まれるため、半分ずつ購入すると米国株への投資比率がさらに高くなります。
Q4.毎月いくらオルカンを買えばいいですか?
一律の正解はありません。家賃や食費、ローン、緊急時の貯金を確保したうえで、無理なく継続できる金額にすることが大切です。月1万円でも20年間続ければ、投資元本は240万円になります。
Q5.オルカンなら暴落しても売らなくていいですか?
将来の値動きを保証することはできません。ただし、長期投資を目的としているのに短期的な値下がりだけで慌てて売却すると、当初の投資方針から外れてしまいます。投資前に運用期間とリスク許容度を決めておきましょう。
まとめ|オルカンだけというシンプルな投資も選択肢
オルカンの主なメリットは、1本で世界中の株式に分散でき、管理が簡単で、少額から長期積立を続けやすいことです。
一方、元本保証ではなく、世界的な暴落では大きく下落する可能性があります。また、短期間で大きな利益を狙う商品ではなく、米国市場の影響も強く受けます。
資産形成では、何を買うかだけでなく、長期間続けられる仕組みを作ることも重要です。オルカン1本、S&P500、投資信託と個別株の組み合わせなど、どの方法でも投資内容を理解し、納得したうえで続けましょう。
証券口座選びで迷っている方は、「初心者におすすめの証券会社ランキング」もご覧ください。
※本記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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